2019年3月21日

慢性痛教育センター主催 宇部・山陽小野田市民公開講座~痛みでお悩みのあなたのために~を開催しました

 2019年3月21日(木)、ANAクラウンプラザホテル宇部で「宇部・山陽小野田市民公開講座~痛みでお悩みのあなたのために~」を開催し、一般市民や医療関係者ら 約90名が参加した。

 本学医学系研究科整形外科学講座の坂井教授の挨拶に続き、同講座鈴木助教が「慢性の痛みに関する山口大学での取り組み」と題して講演し、原因を特定できる器質的な痛みの他に、さまざまな要因の絡む機能的な痛みがあり、総合的な診察が必要だが、今の医学教育では痛みを系統立って学べないため対応が難しく、診察が不十分に終わるという問題がある。その解決のために文部科学省や厚生労働省がさまざまな事業を展開しており、山口大学も本講座をはじめとする取組みを実施し、総合的診療のためのペインセンターを立ち上げたと説明があった。また、自身が行っている外科的処置や近い将来実現見込みの臨床治験についての解説も行われた。
 麻酔・蘇生学講座の原田助教の「慢性の痛み診療の実際」と題した講演では、患者さんはとにかく痛みを止めてほしくて受診するが、痛みに万能薬はなく、慢性疼痛は除去できないため、生活の質の改善を目標にすべきで、運動療法の必要性や痛いから動きたくないと生活を変えない患者さんの意識改革のための患者教育の重要性、適切な運動のための診断の大切さについて説明があった。
 最後に、山口労災病院院長の田口敏彦先生が「腰痛でお悩みですか-腰痛の原因と対策-」と題して講演し、腰痛は高血圧や歯の病気と並び多い主訴であること、なぜ腰痛が起こるのかを椎間板の説明を入れてわかりやすく解説し、これまで原因がわかる腰痛は20%とされていたが、調査「山口pain study」により、整形外科医が丁寧に診断すれば、80%は原因を特定できることがわかったとの報告や、腰痛体操や日常生活における留意点についての説明があった。また、日常生活でやりたいことをやれることを治療の目標とすべきで、痛みを取り除くことは手段である。痛みのない日が幸せなのではなく、やりたいことをやれた日が幸せなのだと強調された。

 参加者からは、とても分かりやすかった、治療イコール生活できることだと分かり痛みに悩んでいたが安心した、との感想が寄せられ、参加者が痛みの診療への理解を深めた貴重な機会となった。