- 活動報告 -

2017年度

▶ 平成30年2月5日~9日 海外視察調査報告 -シドニー大学Royal North Shore Hospital Pain Management Centerにおける学際的痛み治療視察-

山口大学 理学療法士:田原周
滋賀医科大学 麻酔科講座:中西美保、作業療法士:園田悠馬
大阪大学 (疼痛医学寄附講座 臨床心理士:榎本聖香 自己負担により参加)

(参加者 計4名)

 我々は昨年度に続き、シドニー大学Royal North Shore Hospital(RNSH) Pain Management Centerにおける学際的痛み治療(ADAPT Program)の視察を行った。当センターでは慢性疼痛患者に対して集団認知行動療法を実施しており、ニコラス教授(Professor Michael Nicholas.PhD)の指揮により、数多くの臨床研究、良好な治療成績をあげている。
 ADAPTは3週間、計120時間の形式で行う集団認知療法である。入院形式であるが、患者は近隣のホテルに宿泊し、月曜日から金曜日の朝9時から夕方5時まで、スタッフによる痛み教育や運動療法を受ける形式となっている。ADAPTの治療スタッフは医師、看護師、理学療法士、臨床心理士で構成されているが、実際の指導は看護師、理学療法士、臨床心理士が中心となって行っている。
 我々はWeek2の視察を行った。Week2では痛み止めの減薬が行われるため、患者によっては吐き気、下痢、気分不良を呈す場合があり、非常に忍耐のいる1週間である。ADAPTを行っていく上でスタッフの慢性疼痛に対する知識・教育レベルが非常に高くチーム内の情報共有が徹底され、円滑にプログラムが進むように工夫されていた。またRNSHでは効率の良い診療体系が確立されており、質の高い慢性疼痛治療の提供を可能にしていた。
 我が国において、慢性疼痛診療における人材育成のための教育プログラムは、まだ発展途上である。現在、医療者教育プログラムが稼働し、慢性疼痛の教育が普及し始めている段階であるが、教育システムの普及による医療者の育成、人材育成が、今後の国内の慢性疼痛診療の発展に寄与すると考える。

▶ 平成30年3月14日 2度目の外部評価を受審しました

 本事業の平成29年度の取組を評価し今後の活動に活かすため、標記外部評価を実施しました。昨年度に引き続き、認定NPO法人いたみ医学研究情報センターに評価を依頼しました。
 評価は、平成29年度事業計画書を基に「慢性痛教育センターの設置」「慢性痛教育に携わる分野の医療リーダーの養成」「慢性痛教育資材の開発」の3つの観点項目について実施されました。評価結果としては、平成28年度に引き続きほぼ計画どおりに進んでいるとの内容でした。
 本事業では、このたびの評価の結果を本HPにて広く社会に公表するとともに、外部有識者の声を基に、今後の事業実施に向けた改善に取組む所存です。